
ワーテルローの戦いがロンドン相場に与えた衝撃
1815年、春。エルバ島を脱出したナポレオン・ボナパルトが、破竹の勢いでパリに帰還したという一報は、欧州全土を震撼させた。ウィーン会議で戦後処理を話し合っていた列強諸国は、突如として蘇った「皇帝」の悪夢に直面する。フランス国民の熱狂的な歓迎を受け、ルイ18世が逃亡した後のパリで、ナポレオンは再び帝位に就いた。後に「百日天下」と呼ばれるこの期間は、欧州の平和を根底から覆し、とりわけ海峡の向かい側に位置する英国に、深刻な恐怖と緊張をもたらした。